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こんにちは sannigo(さんご)です。いつもありがとうございます。
今回おすすめする映画は、Amazonのプライム会員特典で見ることができた『死刑にいたる病』です。
そりゃあもう最初から、アマゾンでの”16+”(16歳以上が視聴対象)という表示の理由がはっきりと確認できるサイコサスペンス、こわいシーンが続々登場する真っ黒くろすけな映画でした。
ただ、最初はこんな極悪人なんて関係ないさ!娯楽じゃ!娯楽!なんて思いながら観ていたのに、途中から「なんか自分もやってしまいそう、もしかしたら爪を剥ぐって気持ち良いのかも?いやいや、幼少期にすでに彫刻刀で誰かしらを傷つけていた!」なんていう、恐ろしい妄想が頭に浮かんで来たことには参りました。
この映画は、白石監督のおっしゃる通り、どこまでもフィクション!フィクションとして楽しむのが一番って感じではないでしょうか?ということで、いつものように映画『死刑にいたる病』の概要から始めましょう。
死刑にいたる病
櫛木理宇の同名ミステリーサスペンスを原作に、『虎狼の血』『凶悪』『その名を知らない鳥たち』でその名を知られる白石和彌が監督した恐怖の映画。
ある大学生・雅也のもとに届いた一通の手紙。 それは世間を震撼させた稀代の連続殺人鬼・榛村(はいむら)からだった。
「罪は認めるが、最後の事件は冤罪だ。犯人が他にいることを証明してほしい。」
過去に地元のパン屋で店主をしていた頃には信頼を寄せていた榛村(はいむら)の願いを聞き入れ、 事件を独自に調べ始めた雅也。
しかし、そこには想像を超える残酷な事件の真相があった。
映画.comの評価
☆3.4
《キャスト》
阿部サダヲ・・榛村大和
岡田健史・・・筧井雅也
岩田剛史・・・金山一樹
鈴木卓爾・・・筧井和夫(雅也の父)
中山美穂・・・筧井衿子(雅也の母)
宮崎優・・・・加納灯里
《スタッフ》
監督:白石和彌
原作:櫛木理宇
脚本:高田亮
音楽:大間々昴
16+
2時間9分
2022.5.6/日本
サスペンス・シリアス
(C)2022映画「死刑にいたる病」製作委員会
公式サイト:映画『死刑にいたる病』オフィシャルサイト
受賞歴
日本アカデミー賞 2023年
優秀主演男優賞 阿部サダヲ
あらすじ
筧井雅也(岡田健史)の登場は祖母の葬式シーンからなのだが、祖母が校長先生を務めていたということもあり、周りからの期待や理想は高いのに程遠い大学に通い、父親からの信頼も薄い学生でどうやら鬱屈とした日々を送っているようす。
その雅也の元へ1通の手紙が届く。差出人は主人公の榛村大和(阿部サダヲ)。
榛村は世間を震撼させた稀代の連続殺人事件の犯人で、24人の17〜18歳の少年少女の殺人容疑で逮捕され、9人が立証され死刑判決が出ている。
榛村は決まった時間にパン屋に出かけ、決まった時間にパンを焼き、決まった時期に、決まった年齢の黒髪できっちりと制服を着ているようなまじめな少年少女を、決まった手順で、手際よく処理をしていく。まさにプロのサイコパス。
雅也が拘置所に面会に出かけると、人の目を避けているような長髪の猫背の青年(金山=岩田剛史)とすれちがう。
ガラスの殺人鬼の榛村は「23件の罪は認めるが、最後の事件は冤罪だ。犯人が他にいることを証明して欲しい」と頼む。
雅也は中学時代に、榛村が犯行時に地元で営んでいたパン屋によく通っていて、親切にしてもらった記憶が残っているため、彼をよく知っていた。だからこそ、雅也は榛村の願いを聞き入れることにし、彼から聞いた弁護士を訪ね、勝手に名刺を作り独自に事件を調べ始める。
24件目の事件の被害者の名前は”根津かおる”。17〜18歳の少女ではないので榛村のターゲットにはならないが、ストーカー被害に遭い、潔癖症の症状が激しくなっていたという。
雅也が調査に出かけた榛村の自宅近くに住む老人は、「あの人のことは嫌いじゃない。いつも愛想よく声をかけてくれるし、もし匿ってくれと言われたら匿ってしまうかも」と言うし、拘置所の刑務官は雅也が榛村への返答に困って「もう面会時間は終りでは?」と助けを求めるように尋ねても、何の反応もせず榛村の応援をしているような感じもある。
なんと、雅也の母親と榛村は幼いころから知っている仲で、もしかして彼が父親?
調べれば調べるほど雅也にとっては想像を越えるような残酷な事件の真相に近づいていく。
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勝手な評価
☆4.2
勝手な感想
以前、この映画と同じ白石和彌『その名を知らない鳥たち』を観たのだが、この『死刑にいたる病』と同じように目つきが悪く、とても良い人には見えない、しかも汚らしい主人公を阿部サダヲが演じていた。
いやらしくて汚らしい演技がずっと続き、この作品はどこへ向かっているの?といぶかしがっていたら、ラストではとんでもなく優しい人で神さまみたいに飛び立っていったのが救いだったし、感動したのを記憶している。
ところが、今回の阿部サダヲ演じる榛村は、ていねいに優しく接して信頼させ、後には被害者をズタ袋に押し込み、物のように自宅へ運び込み、縛りつけたあとは、まるで女王さまに接するような顔をして、爪を1枚1枚ていねいに剥いでいくというようなサイコパス。
「これ、本物だよ。全く罪の意識なんてないじゃん」って感じで、ラストまで微動だにしない本物の悪人、死刑囚以外の何物でもない感じが良かった。
むしろ、自宅の作業部屋?が燃えてる炎の前で、桜色の爪を「ひらひら」というよりも「ざくざく」と恍惚とした顔で川に流している姿は美しかった。しっかりバルブを回して水流を強めてたけどね。
榛村は「期待されずに生まれた子はこうなる以外ないじゃん」みたいな事を雅也に言っていたような気がするけど、いやいや、あなたはどこに生まれてもきっと悪魔というか、立派なサイコパスになれたんじゃない?って感じ。確かに榛村は苦労して大人になったとは思うのだが・・・。
雅也のとあるシーンでは、タイトル通り「死刑にいたる病」が、榛村から雅也にウイルスのように伝染ってしまったのか?と思えた。何一つ迷いのない悪人のそばに居たり、その人物を深堀りし過ぎると、もしかしたら、心や頭では制御できない悪に染まることはあるのかもしれない。
あくまで、フィクションとして楽しめます。ぜひ!Amazonでご覧になってみてはいかがでしょう?
ちなみに、『死に至る病』は1849年にコペンハーゲンで出版されたデンマークの哲学者、思想家セーレン・キェルケゴールの哲学書。副題は「教化と覚醒のためのキリスト教的、心理学的論述」。キェルケゴールはアンティ=クリスマスという偽名を用いて本書を出版したとのこと。
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「死に至る病」とは絶望のことである。本書はキェルケゴールが絶望の暗黒面を心理学的に掘りさげつつ、人間というものの本質を激しく追求したものであるが、繊細深刻をきわめる絶望者の心理描写の中には、多分に著者自身の自己分析と自己告白とが含まれている。ここに著者の哲学的思索の根本的な特色がある。
(Amazonより)
最後までお読みいただきありがとうございます。ではまたお会いしましょう。