こんにちはsannigo(さんご)です。いつもありがとうございます。
今回は、ただいまWOWOWで絶賛放送中の「誰も知らない」という韓国ドラマ主演のキム・ソヒョンが出演しているというだけで見た映画「アトリエの春、昼下がりの裸婦」という映画のあらすじと感想です。
裸婦なんて文字が入っているし、R15なのでもしかしてあっち系の映画かとも思ったのですが、なにしろ最近のわたしはキム・ソヒョンの魅力にまいってしまって、必死で探した出演作品なので文句なしで見始めました。
なにより風景や景色がとてもきれいな映画で、心配したあっち系な感じはほとんどなく、タイトルにも裸婦とあるので、もちろん裸婦は出てきますが、普通に絵や彫刻などの芸術のためのモデルさんなので全く問題なしで見れたことを伝えておきます。
この映画は、下に載せた三人が織りなすとても静かだけど熱い感情が流れる映画です。
・全身が麻痺していく難病に侵されつつある天才彫刻家のジュング
・夫のジュングをひたすら真っすぐに愛し、天才彫刻家の妻であることに徹しているジョンスク
・夫の創作意欲を励ますために妻ジョンスクが雇った素人モデルのミンギョン。
常に田舎の美しい景色が映し出され、3人が織りなす感情は激しさというよりもしっとりとした穏やかだけど深い愛、三人が深い愛という絆で結ばれていく感じ。
やさしい愛に浸りたいときに見ていただきたい映画です。
アトリエの春、昼下がりの裸婦
映画.comの評価
☆3.6
アトリエの春、昼下がりの裸婦解説
1960年代韓国の美しい田舎町を舞台に、難病に苦しむ彫刻家とその妻、モデルの女性が織りなす物語を描いた人間ドラマ。
1969年、ベトナム戦争への軍隊派遣で揺れる韓国。
全身が麻痺していく難病に侵された天才彫刻家ジュングは、妻ジョンスクに勧められて湖のある村で療養生活を始める。
すっかり創作意欲を失った夫を励ますため、ジョンスクは村で暮らす若い女性ミンギョンをモデルとして連れてくる。
ジュングは創作に打ち込むことで再び生きる希望を見出していき、夫から虐待を受け辛い人生を歩んできたミンギョンも徐々に明るさを取り戻していく。
ジュング役に「カエル少年失踪殺人事件」のパク・ヨンウ。
2014年・第27回東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門上映作品(映画祭上映時タイトル「アトリエの春」)
2014年製作/102分/韓国
原題:Late Spring
配給:クロックワークス
オフィシャルサイト:アトリエの春、昼下がりの裸婦 – クロックワークス公式サイト – THE KLOCKWORX
スタッフ
監督
チョ・グニョン
製作
シン・ヤンジュン
脚本
シン・ヤンジュン
チョ・グニョン
撮影
キム・ジョンウォン
音楽
パク・ギホン
キャスト
ジュング:パク・ヨンウ
ジョンスク:キム・ソヒョン
ミンギョン:イ・ユヨン
引用元:アトリエの春、昼下がりの裸婦 : 作品情報 - 映画.com
わたしの勝手な評価とあらすじ・感想
勝手な評価
☆4.2
勝手なあらすじ
韓国も参戦していたベトナム戦争中の1969年、韓国の人々にも戦争の暗い影が落とされていた時代。
全身に麻痺が進む難病に苦しむ天才的な彫刻家ジュング(パク・ヨンウ)は、手の動きが鈍っていることを自覚しているせいか創作への意欲がわかない。
妻のジョンスク(キム・ソヒョン)のすすめで、二人は美しい湖畔の田舎町で療養していたが、何もやる気が起きない様子で衰えつつある夫の様子を見守りながら、妻はどうにか夫のジュングに創作意欲を取り戻して、少しでも健康的に暮らして欲しいと考えている。
ジュングの制作意欲をわかせることができるようなモデルがいれば、夫の創作意欲を取り戻すことができるだろうと村で暮らす素朴な女性イ・ミンギョン(イ・ユヨン)を見つけ出す。
ミンギョンにモデルになってくれるように妻は頼むが、ヌードと知りミンギョンは一旦ことわるが、実は二人の子どもを抱えているためお金は必要と思い直し、高額な報酬を目当てにモデルの仕事を引き受けることに。
素朴な町娘のミンギョンが湖畔に出向くと、妻のジョンスクは手伝いの女性にミンギョンをお風呂に入れてきれいに洗わせ、ミンギョンに脱ぎ着がしやすいワンピースを渡す。
湖畔のアトリエでミンギョンをモデルに創作を再開した夫のジュング。
モデルが気に入ったのか創作意欲を徐々に取り戻し、創作にも力が入るようになる。ヌードでのモデルが初めてで戸惑い気味のミンギョンにもやさしく教えながら、時には語らいながら作品も徐々に形になっていく。
ミンギョンは、夫を戦争で亡くし、その後家に居ついてしまった夫の戦友と子どもを授かり一緒に暮らしているが、この戦友だった男、つまり今の夫がとんでもない酒飲みで博打打ちでしかもミンギョンへの暴力がひどい。
そんな悲惨な家庭生活から束の間でも解放され、やさしく、芸術家らしい魂のきれいなジュングと一緒に過ごす時間や語らいによって、ミンギョンも本来のかわいらしい明るい町娘に戻っていく。
そしてふたりは、彫刻家とモデルという関係以上の絆で結ばれていくのですが、そこからは、あっと驚くような事件が起こり・・・。
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勝手な感想
「アトリエの春、昼下がりの裸婦」このはなしは、登場人物の3人の誰に視点をおくかでだいぶ印象がかわるのではないかな?と思っています。
《夫のジュング視点》
夫の天才芸術家のジュングのように戦争に参加している国で、徐々に全身が麻痺におかされていく難病にかかってしまったら、誰にその嘆きをぶつけたらよいのやら。
でも、やさしい妻にぶつけることもできず、ただただ動きが悪くなった両手を見つめることしかできない。
そんなときに、モデルとはいえ明るく若い女性が毎日近くに居てくれたら、少しずつ希望が湧いて来るでしょう。
何事にも控えめだけど、きちんと天才芸術家をここまで支えてくれた妻の考えに間違えはなかったのです。
けっきょく、妻のおかげで彫刻への創作意欲も湧いてきて見事な裸婦像を完成させるのですが、そこから大事件が起きるのでここまでにしておきます。
ただ、そこまで人にやさしくしたら自分が辛いのではと悔しくなるラストでした。
夫のジュングは、とても強くてやさしい人です。
《妻のジョンスク視点》
彫刻家とモデルという関係以上に、強い絆で、夫のジュングとモデルミンギョンのふたりが結びついてしまったことは間違いない気がします。
天才芸術家のご主人が、もし芸術を生み出すための体が少しずつ動かなくなる病気になってしまったら、そしてひどく落ち込んでいるのに、淡々と時を過ごしている夫を見て妻はどう思うでしょうか?
病気への恐怖やどうしてこんな目にあうのが自分なのか?とか、いろんな気持ちをぶつけてほしいと思うのでは?それもかなわないのなら。
夫には淡々と過ごすよりも、少しでも元気に笑っている時間を過ごしてほしいと願うのではないでしょうか?
もし若いモデルが来れば、妻自身が忘れられ、一緒に過ごす時間が少なくなることも覚悟の上で、若い町娘にモデルをお願いして湖畔に連れて来たのでは?すべては夫のために。
モデルのミンギョンと夫のジュングが、強い絆で結びついてしまうかもしれない事も想定していたかも。
きっと若い頃からこれまでの夫ジュングとの夫婦としてのしあわせな記憶や絆は、そんなものにも負けない強いものだったのだろう。と終盤にかけての散歩のシーンで感じました。
妻のジョンスクも、とても強くて優しい人です。
《モデルのミンギョン視点》
ミンギョンは今の夫に暴力で居つかれてしまったのに、しかも、その夫は、酒好きで博打好きで働かなくて暴力ばっかり振るいやがって、見ているこっちが許せなくていっそ殺してしまえ!と思うほど。
それでも、幼い子どもふたりのために必死で耐えて、自分だけが働きに出ているというなんとも聖人で・・・。
そんな悲惨よりももっとひどい状態で暮らしているのに、子どもが「あんな人居なくなればいいのに!」と悪口をいうと「二度と言っちゃダメだよ」とやさしく諭すなんて。とてもわたしにはできない。
人の悪口ばっかりいってしまう自分は、とにかく穴があったら入りたい!感じでした。
そんなひどい暮らしの中で、大金でモデルに誘ってくれた妻のジョンスクにはすごく感謝しているはず。
それでも、モデルとして肌をさらけ出して、強くてやさしい芸術家とずっと仕事をしたり、語らっているうちに、本来の明るい自分を取り戻すことができて、やっと心からのしあわせを感じたのでは?
そのしあわせがずっと続けば!と思っていたはず。暴力夫なんかと比べ物にならないくらいすてきな男性がそこにいるのだから。
一線を超えてしまうようなことはなかったとしても、魂の深い部分でつながっていた。絆ができていたはず。
モデルのミンギョンが、一番強烈に、強くて優しい人でしょう。
まとめ
かなりハードな部分もある映画でしたが、全体的な湖畔や田舎の風景の中で起きた出来ごとなせいか、そんなに大ごとに感じないで、さらっと見れた映画でした。
夫婦とか、子どもとか、お金持ちや貧乏人、芸術家と使用人などなど、いろんなことがあっても、みんなどうにか乗り越えて、周りの人をしあわせに!とがんばることをあきらめずに繰り返し、人類の長い歴史は続いてきたのかな?
自然に、周りの人のしあわせのためにがんばれる人に、一度くらいなりたかったな。なんて気持ちになれる映画で見てよかったです。
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最後までお読みいただき、ありがとうございます。またお会いしましょう。