こんにちはsannigo(さんご)です。いつもありがとうございます。
今や観たい映画や暇つぶしの映画はサブスクでほとんど配信され、特にコロナ禍の現在は映画館に足を運ぶのもはばかれサブスクは大人気。
サブスクももちろん便利なのだが、わたしとしてはWOWOWやBS放送でライブ放送中の映画を観ることが多い。それらを録画した映画を観るのも好き。
この理由はなんだろうか?と考えたところ、サブスクでいろんな映画の中から「これだ」という観たい映画を見つけられないからだなと。
とにかく選択肢が多すぎて疲れてしまう。
たとえば、映画館で予告編が流れて「観たい」と思った映画、また雑誌に書かれた長いレビューを読んで「観たい」と思った映画なら映画館まで足を運ぶのだけど、「さあ時間ができた。サブスクで映画でも観よう!」と思っても観たい映画を探す時点で疲れてしまって、けっきょくローカルの情報番組を見て時間が過ぎてしまうことが多い。
そんなこともあって、最近の「金曜ロードショー」は観たい映画が目白押しで、何も悩まなくても普通にテレビの前に座っているだけで観たい映画が流れてくるという幸せな時間を過ごせるので良く観ている。
先日は『E.T.』『プラダを着た悪魔』『タイタニック』とわたしたちアラ還世代が大好きな映画が放送されて、地上波で観たい映画を久々に楽しめてうれしかった。
今年の4月から「金曜ロードSHOW」から「金曜ロードショー」へ番組タイトルが戻ったからだろうか、視聴者から観たい映画のリクエストを募っているそう。
このリクエストって、もしかしたら暇なアラ還を中心にご年配の方がしてくれているのだろうか?なぜかわたしの好みにピッタリ!
ってことで、今回紹介する映画も最近WOWOWで放送された2016年製作の「少女」という作品。
あのゲーム好きで飄々とした雰囲気で人気の本田翼と山本美月が5年前に演じたというところ、それからSMAPの吾郎さんがキャストに加わっていることで「観てみたい」と感じ録画した映画。
この映画『少女』のあらすじや解説には、必ず「人が死ぬ瞬間を見たい」という願望を抱える2人の女子高生がそれぞれ過ごす夏休みを描く。」と書かれているのだが、わたしが観た限りでは「人が死ぬ瞬間を見たい」とは誰も言っていないような気がするので、もしご覧になる機会があったら、そこらへんもチェックしてもらえるとうれしい。
少女/2016
映画.comの評価
☆3.1
解説
「告白」などで人気の作家・湊かなえによる同名小説を、本田翼&山本美月の共演で映画化。「しあわせのパン」「繕い裁つ人」の三島有紀子監督がメガホンをとり、「人が死ぬ瞬間を見たい」という願望を抱える2人の女子高生がそれぞれ過ごす夏休みを描く。
高校2年生の由紀と親友の敦子は、夏休み前に転校生が親友の死体を見たと話すのを聞いて以来、自分も人の死を目撃してみたいと思うように。
そこで由紀は小児科病棟でボランティアをはじめ、余命わずかな少年たちと仲良くなって自らの欲望を満たそうとする。
一方、陰湿ないじめに遭い生きる希望を失いかけていた敦子は、誰かの死を見れば生きる勇気を取り戻せるのではないかと考え、老人ホームでボランティアをするようになる。
知的でミステリアスな由紀役を本田が、天真爛漫だがいじめのせいで過度の不安症を抱える敦子役を山本が演じる。
スタッフ
監督三島有紀子
原作
湊かなえ
脚本
松井香奈 三島有紀子
主題歌
GLIM SPANKY
キャスト
本田翼:桜井由紀
山本美月:草野敦子
新田真剣佑:牧野光
佐藤玲:滝沢紫織
児嶋一哉:小倉一樹
菅原大吉
川上麻衣子
銀粉蝶
白川和子
稲垣吾郎:高雄孝夫(介護スタッフ)
作品データ
製作年:2016年
製作国:日本
配給:東映
上映時間:119分
映倫区分:G
オフィシャルサイト:少女|東映[映画]
わたしの勝手な評価とあらすじ・感想
勝手な評価
☆4.2
勝手なあらすじ・感想
映画「少女」は累計発行部数100万部超!の湊かなえのベストセラー小説を映画化しているそうで、この映画の原作ということでかなり興味が湧いたので今度ブックオフで小説も手に入れようと思っている。
この「少女」を書いた湊かなえのベストセラー作品に「告白」という小説がある。映画化もされ興行収入も38億円超えだったとか。
この頃「イヤミス」という言葉が流行って聞いたことがある人も多いのでは?「イヤミス」というのは「嫌な気分になるミステリー」のことで、読み終わったあとの後味があまり良くないミステリーのこと。
この手の小説が当時はあまり多くなかったのか、新ジャンルとして広まり湊かなえ作品は次々とテレビ、映画化され人気でファンも多いのだとか。
その大ベストセラー「告白」の次に発表された作品が「少女」。
主人公の心に闇を抱える高校生の女の子ふたりを演じたのは、本田 翼と山本美月。当時もきっと20歳は超えていただろう。
おふたりとも高校生というには少し色気があり過ぎで、しっかりし過ぎな気もするけどそこは小説とリンクするとこのようなイメージだったのかな?と想像してみた。
少しおとなしそうだけど知的な桜井由紀(本田翼)は、天真爛漫そうな草野敦子(山本美月)から見ても、何を考えているのかつかめないところがある女子高生。
草野敦子は、見た目も天真爛漫そうだけど何かに怖がっている感じもする女子高生。
心に闇を抱えるこの二人が、幼い頃からの知り合いで実は友達以上の深いつながりがあることは映画の終盤まで明かされないので、映画を観ている側は、学校からは一緒に帰るけど特に話をするわけでもないふたりの友達関係に闇の深さを見せ続けられる。
「親友が死ぬ瞬間を見たことがある」という転校生滝沢紫織(佐藤玲)の登場から少しずつミステリーな部分が明らかになってくる。
心に闇を抱える由紀と敦子のふたりに転校生の紫織が「親友が死ぬ瞬間を見たことがある」と、あまりにも自然にしかも、自慢気に言ったことに違和感を感じるふたり。
転校生の紫織がいきなり「ふたりは親友じゃないの?」とか聞いた時のふたりの反応から、ふたりの関係には何か友情ではない部分があるのかな?とか勘ぐったりして、けっきょく紫織は映画のラストまで大事なキーワードをふたりに投げかけてくれ、視聴者にヒントをくれるとても大事な存在だった。
由紀は、認知症らしい祖母を自宅で介護している影響で、家族や祖母への嫌悪感や生への失望というか死への憧れみたいなものを感じているのかも?と感じていた。
由紀の手の甲には深い傷跡が残っている。この傷は実は由紀のある行動から起きた事故でできたおそらく一生消えない傷。その傷も由紀の心の闇をより深いものにしているのだろうと想像できる。
転校生の紫織の「死の瞬間を目撃した」という発言から、由紀は自身も「死の瞬間を見てみたい」と思ったのか、高校2年の夏休みを敦子には内緒で小児科病棟でボランティアを始める。
小児病棟で短い生命を終えようとしている少年たちから「死ぬ前に父親に会いたいから探して欲しい」と頼まれる約束を守り探し始めでかけた先が・・・。
一方、由紀の親友だろう敦子もまた、由紀には告げずに老人ホームでのボランティアを夏休みに始める。
ここで介護スタッフとして働いていたのが、高雄孝夫(稲垣吾郎)。たかおたかおという珍しい名前で笑いを取っているのだが、女子校生というだけで敦子にきびしく当たる。
敦子の天真爛漫さゆえか高雄のミスを何度もカバーすることで、敦子と高雄の距離も縮まり色んな事も話せるようになる。
敦子は過去に陰湿ないじめにあい、自殺未遂的に学校からか高い建物から飛び降りたことがあるらしい。そんな経験からかちょっとやっかいな事が起きると過呼吸になってしまう。
そんな生きる気力を失いかけていた敦子も由紀と同じように、紫織が「親友が死ぬ瞬間を見た」という話から、人が死ぬ瞬間を見れば、生きる勇気を持てるのではないかという淡い期待を持って老人ホームのボランティアを始めたことがわかってくる。
高雄が女子高校生に優しくできない理由は、家庭を大事にしていたサラリーマンだった高雄が通勤中の電車で女子高生たちから「痴漢の犯人」にされ、認めてお金を渡さなかったばっかりに人生をボロボロにされたからだった。
そして、ここまでのありとあらゆる深い闇の原因たちや事柄はすべて「因果応報」へとリンクしていく。
とにかく、この映画を観たあとの感情は確かに「イヤミス」。なんだか知らないけど嫌な気分になってしまった。
ただ、このふたりのように闇を抱えた若者は多いような気がする。このごろはヤングケアラーと呼ばれ年下の兄弟の面倒を見たり、祖父母の介護をしている子どもが増えているそう。
死に直面するような経験をしている由紀と敦子にとっての死は、読者や視聴者が考えるよりずっと身近で深刻な問題だっただろうと想像する。
そんなふたりの友情は、きっとそこらへんに転がっている友情とはずっと奥の深いものなんだろうな。
わたしはこの「少女」という映画を観てよかったと感じたので評価は☆4.2とした。
何かにつけ、悪いことが起きた時にうまい言い訳として使われている。と思っていた「因果応報」という4文字熟語だが、この映画を観て「因果応報」の意味をしっかりと調べてみたくなった。そして調べた結果はこちら。
『因果応報(いんがおうほう)』とは?
因果応報とは、良い行いか悪い行いかによってそれにふさわしい報いが現われること。
因果応報は、仏教の言葉が語源になった四字熟語である。
仏教では、「行いの善悪によってそれぞれ報いが現われる」と考えられている。
原因となった「因」によって、結果である「果」が生じるというのがこの言葉の一般的な意味である。
「因」は、過去に行ったことはもちろん、前世での因縁も含まれる。
悪い結果を得ているときは、「過去に行ったこと、もしくは前世の因縁が原因になっている」というのが、因果応報の考え方になっている。
ちなみに、因果応報は悪い結果と原因を意味することが多い。
引用元:因果応報(いんがおうほう)とは何? Weblio辞書
なるほど、悪い出来事はすべて「因果応報」と思えば、不幸もあきらめられる。そんな悪い結果の原因は過去に行ったことや前世の因縁が原因なんだ。という使い方が多いということらしい。
この映画では、さらに一歩進んで良い出来事はすべて「因果応報」と思えば、いつか幸せもやってくるかもと希望が持てる。そんなことを感じさせてくれた。
けっこう見応えを感じた映画だった。
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最後までお読みいただき、ありがとうございます。またお会いしましょう。