こんにちはsannigo(さんご)です。いつもありがとうございます。
今回は実在する富豪フィリップ・ポゾ・ディ・ボルゴの体験を映画化したフランスで年間興行収入第1位、日本や北米でも史上最もヒットした2012年のフランス映画「最強のふたり」を観てのあらすじや感想を書いていきたいと思います。
映画「最強のふたり」
映画.comの評価
☆4.2
解説
パラグライダーの事故で首から下が麻痺してしまった富豪の男と、介護役として男に雇われた刑務所を出たばかりの黒人青年の交流を、笑いと涙を交えて描く実話がもとのドラマ。
まったく共通点のない2人は衝突しあいながらも、やがて互いを受け入れ、友情を育んでいく。
2011年・第24回東京国際映画祭で東京サクラグランプリ(最優秀作品賞)と最優秀男優賞をダブル受賞した。
2011年製作/113分/PG12/フランス
原題:Intouchables
配給:ギャガ
スタッフ
監督
エリック・トレダノ オリビエ・ナカシュ
製作
ニコラ・デュバル=アダソフスキー ヤン・ゼヌー ローラン・ゼトゥンヌ
脚本
エリック・トレダノ オリビエ・ナカシュ
撮影
マチュー・バドピエ
編集
ドリアン・リガール=アンスー
音楽
ルドビコ・エイナウディ
フランソワ・クリュゼフィリップフランソワ・クリュゼ
オマール・シードリスオマール・シー
オドレイ・フルーロオドレイ・フルーロ
アンヌ・ル・ニアンヌ・ル・ニ
キャスト
フィリップ:フランソワ・クリュゼ
ドリス :オマール・シー
オドレイ・フルーロ
アンヌ・ル・ニ
【受賞歴】
第36回 日本アカデミー賞(2013年)
<受賞 >
優秀外国作品賞
第70回 ゴールデングローブ賞(2013年)
<ノミネート>
最優秀外国語映画賞
あらすじ・感想
実在する富豪フィリップ・ポゾ・ディ・ボルゴの体験を映画化したもので、フランスで年間興行収入第1位、日本や北米でも史上最もヒットした2012年のフランス映画です。
パラグライダーの事故のために、首から下が不自由になっってしまい車いすの生活になってしまった大富豪フィリップ。不採用の証明書3枚で支給される失業手当が欲しくて介護者美醜の面接に現れたアフリカ系の青年ドリス。
スラム街出身の青年ドリスはなぜか大富豪のフィリップに気に入られ、介護人に採用されます。そこから主人公2人が障がい者と介護人という垣根を越えて築いていく友情を大笑いさせるシーンや大号泣させるシーンで描いていきます。
介護の訓練が始まってからのドリスの入浴や食事の介助方法があまりにも自己流で障がい者への対応とは思えないほどで、しかもからかったりおちょくったりで観てる側は笑えるけど、傲慢なフィリップは怒るんじゃない?とちょっと心配なシーンでもありました。ところが、全くそんな様子はなくむしろ面白がって喜んでいます。
富豪のフィリップとスラム街出身のドリスでは育ちもちがえば障がい者と介護人という立場から、生活ぶり特に音楽の趣味までありとあらゆることがちがうはずのふたりなのに…。どうしてあんなにお互いに居心地良さそうに過ごしているのでしょう?
たとえば高級車や豪華なバスルームではしゃぐドリス。好きな人のことを楽しそうに話すフィリップ。楽しそうに車いすを押しながら散歩するふたり。どうしたらあんなに素敵な関係になれるのでしょうか?
まず介護方法をドリスに教え指導する先輩介護人には、おおらかさとフィリップが過ごしやすいようにとの気遣いを感じます。そんな先輩介護人たちの指導を素直に受け入れる生まれ持ったドリスの天真爛漫さ、ユーモアで人生を楽しみながら生きるスタイル、そして何より「腫れ物に触れる」という感じが全くしない介護ができるドリス。
そんなドリスだからこそ腹が立ちそうな介助やからかいやおちょくりでも、傲慢で気難しいはずのフィリップは喜んで受け入れることができたのでは?
ふたりが一緒にタバコで一服する姿は本当に楽しそうで、とても「介護人」対「障がい者」が一緒に過ごしている姿とは思えない。このタバコを吸う人もタバコを勧める人も少なくなってきた時代に”一緒にタバコで一服”という行為だけでも友情という意味がある気がする。お互いに最強の友人を得た証しのようなシーンで心あたたまります。
今回この映画を視聴したのは2020年なので、ふと日本の映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」が頭に浮かびちょっと比較してしまう自分が居ました。大きな違いはこの「最強のふたり」の主人公フィリップは大富豪の障がい者で、「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」の主人公鹿野は中流階級の障がい者。
大富豪で健常者だったのに不自由に生きることになったフィリップと幼少期に発症した病気で障がい者になり、ずっと母親に介護の負担を掛けて生きてきたからこそ母親の負担をなくし母親には母親の人生を歩いてほしいという理由で自ら自立生活を始めた鹿野では比べても意味がないのかもしれない。
それでも障がい者と健常者がかかわるという意味で”裕福でも不自由な暮らし”のフィリップ”スラム街に生きる苦しみや辛さを持つ”ドリスという「ふたりのつながり」が、おおよその人々がイメージする「障がい者と健常者のつながり」とは全くちがうことやその過程が、この「最強のふたり」を観る人の心を成長させてしかも生きる楽しさを知ることができる点は「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」との共通点では?
そして印象に残ったのは、どちらの映画でもお互いに変な遠慮や同情がない行動やことばのやり取りが実は立場や環境のちがう「ふたり」でも「たくさん」でも心が通じるみたい。変な垣根がなくて「腫れ物に触れる」感がなければないほど人対人になれるみたいな。
自分のスタイルでユーモアいっぱいに笑いながら人生を楽しんでいける人になりたいといつも思っていますがなかなかむずかしいです。泣いたり笑ったりしながらこの映画を観たあとには何となくそんな素敵な人に少しだけ近づいた気がするのが不思議です。
映画によって心が成長して生きる楽しさを知ることができる「最強のふたり」は最高でした。
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私の勝手な採点
☆4.0
この「最強のふたり」は実話を元のドラマということで、介護の仕事も経験のある私としては、介護する側は実際のところどういうスタンスで対応するのが良いのだろうと現役時代思い悩んだりもしました。
フランスの映画で黒人の介護人のドリス役のオマール・シーが心からの笑顔で自分を殺すことなく自由気ままに生き生きとフィリップを介護する姿にびっくり。
もともと大富豪で健常者だったのに事故で車椅子生活になったという理由からもうかがえる”傲慢でわがままな障がい者”というイメージのフィリップも他の介護人よりもドリスを気に入り、交流していく中で友情までも築きあげるというお話。
この映画を泣き笑いしながら観た結果、介護する際には「腫れ物に触る」感じや「同情」でない「素の感情」や「素の自分」で介護士というより人として接することが何より大事なのかなという勉強にもなったので☆4.0にしました。
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